~世の中の潮流~Webの世界が一般化している
ガソリンスタンド業界のみならず、インターネットの存在がビジネスに与える影響は無視できないほどになっています。
GAFAと呼ばれる企業群に代表されるように企業の時価総額ランキングの上位はIT系の企業が占めており、そこに前回のコラムで言及したテスラが食い込む形になっています。
なぜ、時価総額が高いのか?
それは「マーケットや消費者に支持されているから」という一言に尽きます。
世の中の人々は、当たり前のようにAmazonや楽天市場でモノを買い、旅行するときは楽天トラベルやじゃらんを使い、飲食店を調べるときは食べログを使う。
程度の差はあれど、これを読まれている方もそうだと思います。
しかし、ご自身の業界ではそうではない、と思っている方が多いのも事実です。
自分はネットでモノを買ったり、レビューを見るが、自店舗に来店する人はそうではない、と。
冗談話かと思われる方もいると思いますが、実際に自店舗で、インターネットを100%活用して商売をしている自信がある方はそんなに多くないはずです。
これを機に、是非考えてみてください。
ウォークインからサーチインへ
時代が変わり具体的に何が変わったのか、という話をしたいと思いますが、ずばり、人々の行動様式がウォークインからサーチインに変わりました。
インターネット以前の世界では、消費者は歩き回って、もしくは車で移動してサービス提供店舗を探すしかありませんでした。つまり競合となるのは、移動して見つけた2・3店舗の店舗だけでした。
旅行先を探すとしても、情報源は人からおススメされたところか、雑誌やテレビだけ。
しかし、サーチイン(ネットで探して入る)の時代になると、インターネット上に出てくる大量の店舗が競合の対象となり得ます。
例えば、出先でご飯を食べようとしたときに、「もう10分行った先に、評価の高い店があるからそっちに行こう」となりますよね?
つまりインターネット上の「口コミと評価がすべて」の時代になったんです。そして、それがあらゆる商品・サービスで当たり前になりました。
ガソリンスタンドや車業界でも例外ではなく、粗悪な店舗は炙り出され消費者の選択肢から除外されます。
添付の画像を見てください。
評価も低く、口コミも悪い。
こんな店舗に誰も行きたいとは思わないはず。
この時点で消費者の選択肢から除外されるということです。
そして重要な点がもう一つ。
このような口コミの真偽は関係ないということです。
自社でグーグルマイビジネスのアカウントを管理していれば、口コミに返信したり、間違った投稿として削除依頼は可能ですが、このままだとこれが本当の情報となってしまいます。
だからこそ、自社がアカウントをきちんと管理し、第三者から見て、「正しい情報」を掲載することが必要になります。
※グーグルマイビジネスについての有用性についてはまた後日、記事投稿します!
AISAS(アイサス)の法則
これまでは店舗の「口コミと評価」の話をしてきましたが、
ここでは、オフラインだけだと店舗の認知や来店に一切結びつかなくなる、という話をします。
皆さん、AISASの法則というのはご存じでしょうか?
アイサス(AISAS)とは、消費者の購買行動プロセスを説明する代表的モデルの1つです。
インターネット上で消費者がある商品を認知してから購買に至るプロセスで、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有) の頭文字を取ったものです。
もともとはAIDMAの法則という有名なモデルがありましたが、情報社会に合わせたモデルを電通が考案しました。
図のように
- A:Attention(注意)
- AIDMAのAは、消費活動の最初のステップである「商品を知ること・認知すること」から始まるAttention(注意)です。
- I:Interest(興味)
- AIDMAの法則の購買段階2つ目が、商品に興味を持ってもらうためのInterest(興味)です。
消費者に「こんな商品があるんだ」と認知をされても、Attention(注意)の段階では興味関心をまだ持たれていない状態です。
- AIDMAの法則の購買段階2つ目が、商品に興味を持ってもらうためのInterest(興味)です。
- S:Search(検索)
- 次は気になった商品を検索する段階のSearch(検索)です。
検索エンジンやSNSを用いて、情報収集し、類似サービスと比較をしたり、口コミを見て検討します。この段階で勝負が決まり、どの商品を購入するかが決まります。
消費者は、「興味はあるけれど本当に必要なのかわからない」「興味はあるけれど価格が高い気がする」などというような障壁を持っているので、不安・心配を取り除くための情報がWeb上にあるかが重要になります。
- 次は気になった商品を検索する段階のSearch(検索)です。
- A:Action(行動)
- 実際に購買行動を起こすのがAction(行動)です。
この段階では、消費者が買うことを決定しているため、買うまでの流れを明確にする必要があります。いくら買うことを決めていても、どこで買うのかということが不明確だと諦めてしまうことにもなりかねません。きちんと購買活動の出口へ導いてあげるような環境作りが重要です。
- 実際に購買行動を起こすのがAction(行動)です。
- S:Share(共有)
- 実際に商品やサービスを購入した消費者が、SNS等を使って他者に共有・拡散するのがShare(共有)です。
ここでのポイントは、良いレビューだけではない、ということです。アメリカで行われた研究によると、人は「良い体験」よりも「悪い体験」のほうが2.4倍ほど、周囲に情報を拡散したがることが明らかになっています。
消費者にとって不満足なサービスはとんでもないスピードで拡散されている可能性があることが非常に高いです。
- 実際に商品やサービスを購入した消費者が、SNS等を使って他者に共有・拡散するのがShare(共有)です。
このように順序立てて、消費者に自社製品・サービスのアプローチをしていくことが重要ですが、
ガソリンスタンドのようなオフライン(来店型)でビジネスをしている企業では、消費者と接点があるのが、A:行動だけになってしまいます。
つまり、インターネット上で検索して、そもそもHPがなかったり、古臭いものだったり、
口コミや評価が悪い、という時点で、消費者が購買に至ることはないということです。
店舗の清掃や接客、サービス価格等はもちろん重要ですが、そこばかりに気を配っていませんか?
消費者が認知し興味を持ち、来店に至らない以上、いくらリアル店舗の改善に力を入れても、現代社会では新規顧客が来店に至ることはほぼ100%ないと考えたほうが良いでしょう。
だからこそ、ガソリンスタンドにおいて
Web・自社HPの構築・活用が必須になるわけです。
農耕民族から狩猟民族へ
これまでのガソリンスタンドは、農耕民族型運営でも成り立ってきました。黙っていても消費者が来店し、ガソリンを入れる。
しかし、これまでお話ししてきた通り、消費者はインターネット上の情報で来店する店舗の取捨選択をするようになっています。だからこそ、ガソリンスタンドでも、自ら動いて猟場を探し、消費者を捕まえてくるような狩猟民族型運営に変わる必要があるのです。
そのために、自社HPを構築し、地域の方に「知ってもらう・興味を持ってもらう・来店してもらう」ということを行い、新しい顧客の開拓を進めていくことが重要です。
自社HPがもたらす効果
ここまで、自社HPの必要性について話してきましたが、実際にIgnitionでHPを制作させて頂いたガソリンスタンド様の効果について話していきたいと思います!
Case1
地方都市にあるガソリンスタンド運営企業。
ガソリンスタンドを5か所、車検工場・板金工場を保有してたが、自社HPがなく、オフラインのみでの営業活動しかしておらず、集客に苦戦。イグニッションにてHPの新規構築を実施。
制作形態 | 新規構築 |
---|---|
拠点数 | 5 |
HP経由の導線 | 車検見積もり予約 法人問い合わせ 採用募集 |
マーク | ENEOS コスモ プライベート |
HPを構築後、3か月目あたりから予約が入り始め、現在では、1店舗当たり5件ほどの車検予約がHP上から安定して入ってきている。
Case2
中核都市にあるガソリンスタンド運営企業。
認証工場つきのガソリンスタンドを1か所運営。
自社HPは保有していたが、10年間ほど、リニューアルをしておらず、古臭い・利便性の悪いHPとなってしまっていた。
イグニッションにてHPのリニューアルを実施。
制作形態 | リニューアル |
---|---|
拠点数 | 1 |
HP経由の導線 | 車検見積もり予約 法人問い合わせ 採用募集 |
マーク | ENEOS |
HPをリニューアル後、初月から予約が入り始め、現在では、毎月10件前後の車検予約がHP上から入ってきています。
2つの事例で共通しているポイントは2つあります。
1つ目は、HPに流入させるためのWeb広告を一切行っていないということ。なので、広告コストはゼロ、ということです。
※「○○市 車検」のようなキーワードを検索してHPに辿り着き、予約まで至っている。
2つ目は、「車検予約をしてくれた消費者のほとんど(95%以上)が、ガソリン給油をしたことがない新規の顧客だった」ということです。つまり、一般的な「ガソリン給油から油外へ」というステップではなく、「油外(車検)→ガソリン給油」という逆の順序を辿っています。車検は油外商材の最上位なので、そこが入り口になるとたいていのことはやってくれるようになり、店舗の油外収益の強化につながります。
「顧客を育てるということが容易になる」と言い換えることもできます。
まとめ
自社HPを持つと、どの程度実績に跳ね返ってくるかは上記の通りですが、こんなにも結果が出やすい理由の一つに、「同業他社がほとんどやっていないから=Web上の競合がほとんどいない」というのが挙げられます。
いかに早くここに気付けるかが、今後の明暗を分けてくるだろうなーと個人的には思っています。
もちろん自社HPを持つことは、「売り」以外にも採用やブランディング、法人取引にも大きなプラスの影響を与えます。
その話をすると長くなるので、この話はまた次回以降でお話ししたいと思います(笑)。
また、お困りごとや気になる点がありましたら、下記のフォームからお問い合わせください。
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